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語学研修が人財の維持と成長に繋がる?

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当社は、グローバルの大手企業に勤務する世界中の人事および学習・能力開発のリーダー1,175人を対象に、語学力(特に英語)が人財確保に与える影響を調査しました。このコラムでは、調査の主な結果をご紹介します。

主な調査結果

  • 96%の企業は、英語研修がスタッフの定着に役立つと考えている

  • 語学力不足は専門能力開発へのアクセスを制限し、キャリアアップの障壁となる

  • 語学研修のニーズは高まり続けている

    • 従業員の30%以上が、所属する組織の主要言語を母国語としない環境に在籍。また、語学研修を実施している企業の74%(グラフ1)が今年はさらに投資を増やす予定と回答

  • 英語力の低い従業員の約3/4は、英語力の高い従業員に比べ、会社での活躍や昇進の機会が制限されている

語学スキルが個々の人生、チーム、組織を変える

基本的に、グローバル規模で成長し組織内の人々が適切に機能するためには、下記5つの要素を押さえることで、結果取引先パートナー企業やサプライヤーとのグローバルな連携が実現できます。

  1. 言語的・文化的にお互いを理解する

  2. それを理解した上で幅広い視点を持ち連携する

  3. 連携を通してお互いの知識を共有する

  4. 共有をすることで見えるお互いの不足しているスキルを学ぶ

  5. お互いに知識を学び教えることで共に革新する

組織で働く個々の従業員は、自分の仕事面での成長の機会と働きがいを見出すために、今まで以上に専門的な能力開発を求めています。たとえ組織が能力開発の機会を提供されていたとしても、語学力の壁によってその機会を失ってしまうことも多く、それは従業員の将来性を損なってしまうだけでなく、最終的には組織や従業員の融合(人事として従業員の維持)能力にも影響してしまうのです。

語学トレーニングに投資をしている割合

現代社会で求められる語学トレーニング

近年では、人財の維持が重要度の高い課題となっています。特に従業員はより柔軟な働き方や報酬、能力開発、ワークライフバランスの重要性(グラフ2)など求めるポイントも多くあり、雇用主側とすると頭の痛い課題です。また、従業員がこれらの重要な分野に満足せず退職などが起きてしまうと、重要な人財の入れ替え、オンボーディングを行うなどコストと時間がかかってしまいます。

では、何が従業員を離職させてしまうのでしょうか?

従業員の働くモチベーション

上記のグラフを見ていただくと、給与に次いで、キャリア・アップの欠如、トレーニング・能力開発機会の欠如が、退職理由の第2位と第3位に挙げられています。特にキャリア・アップに関してはグローバル企業であれば語学力に大きく影響してしまうことがあるからと言えます。例えば、企業や地域によっては、マネージャーやエグゼクティブの役職は、高い英語力がなければ進めないなども可能性として大きくあるでしょう。

私たちが調査した企業の96%は、従業員に対して少なくとも1つの言語での語学研修をすでに実施しています。つまり、人事やL&Dのリーダーがビジネスやチームを活性化する中核的な手段として、語学研修の必要性をますます認識しつつあると言えます。

戦略的メリット

上記のポイントを裏付けるのが、「人事・L&Dリーダーの従業員維持」と「語学研修を実施した経験」に基づくことで、 この2つにはグラフ3にあるように相関関係があるというのが言えます(96%が英語研修で一定数の従業員の維持に影響すると回答)。特に、エグゼクティブとディレクターの80%以上が、英語トレーニングは定着に「大いに」影響していると回答しており、語学トレーニングが個人的な目標にとどまらず、ハイレベルな戦略的ビジネス目標にも影響を与えることを証明しています。

英語研修の離職率低下

言い換えれば、トレーニングと能力開発が人財確保にかかっており、言語が個人と企業にとってのコアな能力開発目標であるとすれば、現代ビジネスにおいて、労働力を確保し、開発するための基礎として、言語トレーニングの必要性が高いと言えるでしょう。

語学力がキャリア開発の障壁を取り除く

言語とコミュニケーションは、個々人が伸ばすべき極めて重要なスキルですが、さらなる発展へのアクセスを可能にするものでもあると言えるでしょう。

世界のオンラインで取得できる情報の多くが主に英語であることに加え、私たちの調査では、下記グラフ4にあるように、グローバル企業の社内研修の大半も英語で行われていることがわかりました(60%)。一般的に、リーダーシップやテクニカル・スキルの研修は、英語力の低い人には手が届かない場合があり、言語による「ガラスの天井(キャリア開発における障壁)」を作り出してしまっています。10人に7人の人事・L&Dリーダーが、英語力の低い社員は参加に制限があり、昇進する可能性が低いことを認めています。

女性や若者など、特定のグループの英語力が世界的に低下している中、このような偏見は、従業員のキャリア開発により大きな不均衡をもたらす危険性があります。

英語での研修 v.s. 母国語/多言語での研修

英語の先にあるもの

今回の調査から、英語力のスキルアップをすることで組織や個人のキャリアに最も大きな影響を与えることが最も重要であることが明らかになりました。

しかし、グローバル企業では、グラフ5の通り、従業員のほぼ3分の1がその企業の主要言語を母国語としないため、共通となる言語研修の機会を提供することも、人財確保の戦略において不可欠な検討事項と言えるでしょう。

組織の主要言語 v.s. 自身の母国語

主なポイント

多国籍大企業にとってグローバル人財は不可欠であり、ビジネスの成長に必要な人財を確保・育成するためには、コミュニケーションが主な障害になったり、またはさまざまな課題の促進要因になったりすることもあります。

研修と能力開発、キャリアアップと語学の関連性を調査した結果、コアとなる語学研修に投資しない企業は、コミュニケーションの障壁によって見えなくなってしまっている個々の才能、モチベーション、革新性を秘めた潜在的なChange makersを組織から失う危険性が高くなります。

また、今回の調査で企業の大多数(96%)が英語研修が重要なリテンション・ツール(人財を維持するための機会)であると回答していることから、語学研修への投資は、社員の隠された強固なスキルを引き出し、自社に留まろうとするモチベーションを維持する可能性が高いと言えます。

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