とある光景を思い浮かべてみてください:あなたは、ニューヨークを訪れ、ライドシェアの車かタクシーに飛び乗り、運転手との会話の中で、彼が母国ではエンジニアだったことを知ります。あるいは、あなたの子供のベビーシッターがかつては医者で、米国への入国後に医師免許を再度手に入れる方法を見つけられなかったことを知るかもしれません。
こうした経験がある人は多いと思いますが、それがどれほど一般的なことなのかはあまり知られていないのではないでしょうか。学士号以上の学位と就労資格を持つ200万人以上の移民が、米国で専門職に復帰する際に文化的・構造的な障壁に直面し、失業または不完全雇用状態に陥っています。一方で、米国内では600万件以上の求人があり、多くの企業が採用に苦慮しているという現状があります。このような明らかなミスマッチから、「企業は重要なタレントプール(人財プール)を見逃していないか?」という疑問が浮かび上がってきます。
Upwardly Globalは、米国全土で移民や難民の専門職のキャリア再構築を支援する非営利団体であり、テーラーメードの求職・訓練プログラムを通じて、渡米者の教育とスキルの適応をサポートしており、この支援のもと毎年1,000人ほどの移民や難民が専門職としてのキャリアを再構築しています。
今回は、Upwardly Globalの雇用者エンゲージメント担当ディレクターであるMary Lee氏と雇用者パートナーシップ・マネージャー、Emmanuel Imah氏にお会いし、需要の高い分野における雇用機会と、企業が見逃しがちな移民・難民のタレントプールとのギャップについて詳しく伺いました。
Lee氏は次のように語ります。「諸事情により移民となった人々は、高度な訓練を受け、確かな技術を持つプロフェッショナルでありながら、低賃金の仕事に就き、自分の才能や可能性をはるかに下回る働き方をしています。彼らが直面するハードルを克服するための適切な支援があれば、彼らのスキルを活用し、労働市場のギャップを埋め、経済の活性化へとつなげられるようになります」
多くの新入社員にとって、英語能力はキャリアを再構築し、自分のスキルや国際的な経験が米国での就職活動にどのように活かせるかを理解するうえでの最大のハードルとなっています。
Upwardly Globalでは、グローバルで多様な才能を求める企業と、そうした才能を持ちながらも過小評価されている人々との懸け橋となることを使命として、フォーチュン500企業からハイテク新興企業にいたるまでの幅広い企業と緊密に連携し、インクルージョンの向上と多様なタレントプールへのアクセスの実現に焦点を当てながら、影響力の高いパートナーシップを構築しています。