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これからのビジネスは女性主導?

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社員のニーズを無視したレガシーな職場文化に嫌気をさしてしまう人が多くなった今、従業員のみなさんは過去の様々な"当たり前"を再定義しようとしています。例えば過剰自信(傲慢さ)から謙虚さへシフト、組織的階層の意識から人としての信頼性への考え方、機密性から透明性への必要性など、今日の人財は従来の支配的プロセスを拒否し、人間的なつながりを優先しているのです。

この再定義化の中で、当社を含め多くの組織が職場における「ソフトスキル」向上の重要性における再認識と、マインドフルな能力開発への道筋を辿っています。これは、このような環境で意欲的に活躍する女性にとっては嬉しいニュースです。

「ソフトスキル」の言語的バイアスに迫る

採用やキャリア開発のプロセスは、ハードスキルと言われ、頻繁に履歴書や業績といった定量的事実をベースにすることがあります。逆に定性的なヒューマンスキルである「ソフトスキル」はなかなか定量化できないということもあるせいか、ハードスキルよりも優先度が低くみられがちで、一時では女性的なスキルだと言われることもありました。(関連資料<英語>はこちら)

実際に、比較的女性は「ソフトスキル」が強く、言語的バイアスを除くと、女性は人間関係の構築や組織的な業務に長けているということになります。女性としてよく賛同される最も価値のあるヒューマンスキルの一つにコミュニケーション力があります。諸説理由はありますがその中でも代表的なものが、女性は主に相手とのつながりを意図してコミュニケーションを取る傾向があるのに対し、男性は一方通行のコミュニケーションで知識を共有する傾向がある(関連資料<英語>はこちら)ということです。人財管理の業務での多くスクリーニングに支配されてしまいがちな環境下において、現代の人財は基本的に信頼性や透明性、共感を通じたいわゆる人間的な繋がりを重要視しています(関連資料<英語>はこちら)

このように繋がりを重要視するということが、女性リーダーがチームから信頼を受けやすい理由だと言われています。最近の研究(関連資料<英語>はこちら)では、多くの人が、コーチングや能力開発、チームの価値創造などにおいて、女性管理職により強いサポートを受けていると感じているという結果が出ています。同様に、他の研究(関連資料<英語>はこちら)でも、女性リーダーは男性よりも「創造的」なコンピテンシー(関連性、自己認識、信頼性など)を示し、男性よりも高いスコアが出ています。「反応的」よりも「創造的」なリーダーが、現代ビジネスにおいてより効果的であることが理解できると思います。

些細な言葉ではあるが、「ソフトスキル」の真の影響力は、どんなに言葉遊びをしても最小限に抑えることはできないのです。従来のビジネスは慢性的に、コミュニケーションとコラボレーション文化の価値の乖離による課題に悩まされています。男女のバランスが取れた労働力では、このようなビジネスにおいて不可欠なリスクが低下し、あらゆるビジネスが必要とするパワフルなコミュニケーターやコラボレーターとして女性を位置づけることができるのです。

企業内研修は誰のための研修なのか?

職場において公平とインクルージョンの一つの基準としてキャリア開発があります。人財に提供する学習機会は、すべての人が平等にキャリアアップを目指せるものでなければなりません。

この課題を複雑化しているのは、性別の違いも学習方法に違いを出しているということです。成人の学習における重要な傾向として(関連資料<英語>はこちら)、男性はインフォーマルな学習、特にグループでの学習に参加したがらないことが指摘されています。一方、女性は「課外」または非強制的な学習や活動に参加する傾向が強いと言われています。企業の研修プログラムや学習機会がますます非正規的で社交的なものになるにつれ、目標志向が強いとされる男性が不利になる可能性があるということを理解することが重要です(関連資料<英語>はこちら)

逆に、企業研修における女性に対し注視すべき危険領域は、学習機会へのアクセスに制限が設けられてしまうということです。例えば、成人女性の英語研修の頻度が減少傾向にあるようで、多くの場面で不利な立場に置かれてしまっています。

学びや成長の機会が与えられれば、女性はその機会を得る可能性が高いと言えます。これからの組織の課題は、すべての従業員が研修を受けられるようにすることです。

ビジネスで新しく取り入れられる技術が女性のメンタル的な障壁になっている?

我々は最近、企業にとってチームワークでAIを導入することの重要性についての報告書を発表しました(英語)。AIを使うことに抵抗がないと回答した男性が54%であったのに対し、女性はわずか35%でした(関連資料<英語>はこちら)。全体的に、女性はAIが自分の業務に与える影響に対してより不確実性を感じており、一般的に男性が直面しないであろうキャリア不安が明らかになりました。

これは女性のキャリアにおける障壁となる可能性があります。新しいテクノロジーに対する準備ができていなかったり、導入を躊躇したりすることが長期的に女性が職場に溶け込むためのリスクとなりえます。

よりジェンダーのバランスが取れた未来を作るために

新しい仕事の世界はいわゆる「女性的」な対人スタイルを重要視し、広く受けいられてきています。しかし、女性を考慮しなければならないリスクもあります。第一に、新技術の導入を常態化させ、それに伴うキャリア不安という恐怖に直面させてしまう可能性があるということです。第二に、ジェンダーに関係なく権力を持つ立場にある人々は、すべての人を巻き込み、巻き込むような心あるトレーニングの実践を含め、労働力の成長機会を可能にする責任があります。

また、「ソフトスキル」という言葉を再考し、これらのスキルが及ぼす労働力への影響とビジネスにとって不可欠であることを認識するタイミングです。女性はこの変化を推進することが比較的得意とされていますが、男性はこのようなスキルをキャリアの成功と昇進に必要なものとして位置づけ直す必要があります。

職場における女性の未来は明るいと断言できます。私たちがお互いの成長を支え続けることができれば、これからの新しいビジネスにおいて、業務を成し遂げるために必要なスキルは、より丸みを帯びた見方が広まると考えます。

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